グミの味を秘密にしたら大ヒット。「空想果実」のマーケティングが面白すぎる
人は情報ではなく「参加できる場所」に集まるのかもしれない
えいたです。
最近、久しぶりに「これは面白いなぁ……」と思った事例を見つけました。
カンロの「空想果実」というグミです。
結構有名なグミなので、名前を聞いたことがある人いますよね。
存在しない果実で多くのファンを魅了したヒット商品です。
そして、この商品の何がすごいかというと、SNSを利用して
消費者に研究員になったようなワクワク感を与え、成功した事例なんです。
最近、コミュニティについて考える機会が増えてきました。
フォロワーを増やそうとする。
PVを増やそうとする。
バズを狙う。
これはXやInstagramでは正しい戦略です。
でも、サブスタックは少し違う気がしています。
読者を集めることよりも、
読者同士がつながること。
情報を届けることよりも、
参加してもらうこと。
そのほうが大事なのではないか。
そんなことを考えていた時に見つけたのが、この「空想果実」でした。
「この世に存在しない果実を研究する世界観」
当たり前ですけど普通のお菓子なら、何味って決まってますよね
「ぶどう味」
「レモン味」
「ピーチ味」
と見ただけで味の予想がつきますよね。
でも「空想果実」は違います。
実在しない果実なので、当然ながら味も存在しません。
そして味の説明は一切してないのです
ある程度は説明しようと思えばできるのでしょう。
でもカンロはあえて説明しませんでした。
研究機関「空想果実ラボ」の立ち上げ
さらに面白いのはSNS運用です。
普通なら企業公式アカウントで、
「新発売です!」
「ぜひ食べてください!」
と宣伝します。
ところが空想果実は違います。
「空想果実ラボ」という架空の研究機関を作りました。
研究員たちが未知の果実を発見し、その調査報告を発信しているという設定です。
しかも徹底しています。
ただ世界観を投稿するだけではありません。
調査報告が届く。
新たな生態が判明する。
未知のエリアが発見される。
フォロワーにアンケートを取る。
次はどこを調査するべきか聞く。
そんなやり取りを何年も続けているんです。
ここが本当に面白いところですよね。
多くの企業は説明しようとします。
わかりやすく伝えようとします。
でも空想果実は逆でした。
説明しない。
答えを出さない。
むしろ謎を増やしていく。
すると何が起きるのか。
ユーザーが勝手に考え始めます。
「ライチっぽい気がする」
「いや、メロンでは?」
「パインも入ってるかも」
SNSにはそんな感想が大量に投稿されました。
正解はありません。
だから考察が始まるんです。
マーケティングというと、
商品の魅力を伝えることだと思われがちです。
でも空想果実を見ていると、必ずしもそうではないと感じます。
むしろ、
「余白を作る」
ことのほうが重要なのかもしれません。
全部説明しない。
少しだけ謎を残す。
そうすると、
「なんだなんだ」
とつい参加したくなりますよね。
さらに驚いたのは食品業界の反応です。
空想の果実を作るといっても、実際には法律があります。
パッケージ裏面には本当の原材料を記載しなければいけません。
そこで開発チームは、実在するさまざまな果汁を組み合わせて、存在しない味を作り出しました。
その原材料表示を見た食品メーカーの人たちが、
「これはすごい」
「開発チームが本気すぎる」
「世界観を守りながら法律も守っている」
と大絶賛。
そこからさらに話題が広がりました。
そして何より驚くのは、この世界観が一発ネタではないことです。
数か月ではありません。
数年単位で続いています。
限定ボックスを販売すれば即完売。
ファンは増え続けています。
広告を大量投下して一瞬だけバズる施策ではありません。
じっくり熱量を育てているんです。
この事例を見ていて感じたのは、
空想果実はグミを売っているようでいて、実は違うということです。
彼らが売っているのは、
「研究員になる体験」
です。
未知の果実を発見する。
考察する。
報告する。
ユーザーは消費者ではなく研究員になります。
だから熱量が生まれるのでしょう。
空想果実の成功を見ていて感じたのは、
人は情報に集まるのではなく、参加できる場所に集まるということです。
研究員になれるから面白い。
仲間になれるから続く。
コミュニティだから熱狂が生まれる。
サブスタックも同じではないでしょうか。
XやInstagramのようにフォロワー数を追いかけるよりも、
誰が参加してくれるか。
誰と一緒に作っていくか。
そちらのほうが大事なのかもしれません。
これから必要なのは、
「読者を増やす方法」
ではなく、
「仲間を増やす方法」。
空想果実は、お菓子の事例でありながら、そんな未来のヒントを見せてくれている気がしました。
SNSのように数字を追いかける場所ではなく、
仲間が集まり、
会話が生まれ、
一緒に何かを作っていく場所。
サブスタックが目指すのも、そんなコミュニティなのかもしれません。






素敵な記事ありがとうございました😊